ネクタイピンのブランド12 − デュポン(S.T.Dupont)

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1872年、フランスのサヴォワ地方の製粉業を営む家に生まれたシモン・ティソ・デュポンが、高級レザーグッズの工房を創設したのがデュポン(S.T.Dupont)の始まり。この工房で製造された革製品はまたたくまに人気となり、上流社会にも受け入れられるようになります。

その後、シモンの息子であるアンドレとルシアンのデュポン兄弟の代に、上流社会のさらなる需要に応えるべく、1点ものの贅を凝らしたトラベルケースなどを製造するようになりましたが、第二次世界大戦が始まる頃から、材料の不足が深刻になり製鞄業を断念。

一転、アンドレに金細工師の経験があったことから、現在ではデュポンの最も有名な商品であるライターの製造を手掛けるようになりますが、”金メッキ”職人を募集した求人広告の誤植で”漆”職人が参集してしまったことが、デュポンに予期せぬ飛躍をもたらしました。

現在でも、宝飾品を中心に活かされているこの漆塗りの技術はもちろんネクタイピンにも活かされ、デュポンならではの深い味わいのある表情を見せているのが魅力。また、”Diamond Head”と呼ばれる、ブランドを象徴する三角錐のデザインパターンも大きな特徴となっています。

ゴールドやシルバーはもちろんのこと、ロジウム、パラジウムといった貴金属も使用し、漆塗りや独自のデザインパターンを組合わせることで、洗練されたエレガンスを表現したデュポンのネクタイピン。手にすれば、その特異な歴史の重みを感じることでしょう。
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